過去問の利用法


「過去問を買え!」のところで、過去問の重要性について触れました。

ここでは、その重要性をさらに強調する(笑)と共に、具体的な利用法について考えてみます。



もう一度確認してください!

過去問と言うのは、最後までとって置いて、試験前の腕試しとして使うものでは決してありません。
そんな考えは、大きな間違いです!

どこが間違い?

分かりますよね?


まず、使う時期が全然違います・・・・。

過去問は、いっちばん始めに使うんです!!!

どう使うのか?

これもちょっと言いましたよね?

そう。これからの学習の位置付けです。
(もちろん、問題集としても最高なので使いますよ。それは、問題集の攻略で説明します。)

この部分を具体的にしていきましょう。

まず、試験勉強において重要なのは次の4つです。

「どんな問題が出るのか(範囲)」
「どのように出題されるのか(方法、方式)」
「どれくらいのレベルの問題が出るのか(難易度)」
「どれだけ取れば受かるのか(合格点)」


の4つです。それぞれの頭文字を取って、名づけて「4D」です(笑)。(←ネーミングセンスに口出しは、なしね。。。)

この4Dを知るために過去問はあるんです!

つまり、学習の位置付けとは、これからどういう勉強をしたらいいのか、
どういう問題を解けばいいのか、どの程度やればいいのか、どういう対策をとればいいのか、
ということです。

この4Dを知っていないと、勉強の効率が相当落ちます。
逆に知っていれば、かなり効率が上がります。
その辺は、分かりますよね?


出る可能性が低い問題に時間をかけるより、可能性が高い問題をより多く解く方がいいでしょ?


では、この4Dを一つずつ見ていきましょう。


「どんな問題がでるのか(範囲)」

どんな試験にも出題範囲が与えられていますよね。
でも実際に試験に出る範囲って、それに比べたらすっごい狭いんです。

大学受験でも、全出題範囲が100としたら過去問を検討してみると、
実際に出題されうる範囲というのは、せいぜい多くても10くらいです。(実際は1か2くらいかも・・)

私も始めはそうでしたが、何故かみんなこれに気付かないんです。
だから、難関試験になると、途方もない出題範囲を全てマスターしなきゃいけないような考えになります。

考えてみると、時間的にも物理的にも制約がある「試験」という中で、
全てを問うことは、不可能っていうのはすぐ分かるはずなんですけどね・・・

実は、本当に出題されるのはほんの一部なんです。

パレートの法則でも言いましたよね、「出題されるうちの8割は、全範囲の2割から出題される。」
まさに、その通りなんですよ!

これに気付けば、勉強効率がグググググッってあがります(笑)!

だって、全体のうちの10がよく出るって分かれば、その10からまず潰せばいいんですよ!
その次にその周りを潰して20、30ってやっていけばいいんです。

最終的に100全部マスターしなきゃいけないってみんな思ってるから、
基本から少しずつ全部をマスターしてやろう!って張り切ってたりするんです。
でも、結局全部中途半端に終わっちゃうっていう罠です。。。。

本当に重点的に勉強する必要があるのは、全体からすればほんの一部なんです。
こんな単純なことに多くの人が気付いてないのは、なんと不思議でしょうか(私もでしたが・・)。

(当然ですが、全範囲をマスターすれば言うことはありません。が、多くの人には時間がないのです。

だいたい全部をマスターして合格する人などほとんどいません。皆無に近いです。
だから、あまり分からない分野があるのに合格してもいいのかな?って言う疑問は合格者全員が持っていると考えてもいいでしょう。
その場合は、受かってからでも謙虚に精進して学習を続けなければいけないのは言うまでもありません。
でも、まずはスタートラインに立つのが重要です。)


とにかく(笑)!

「試験に出題される可能性が高いところを重点的にやる」
これは、どんな試験でも受験の鉄則です!

そして、「出ない問題は、やらない」のが原則です。

(大学受験などでは、これが大学別にとても顕著に現れています)

これさえやってれば、大抵合格できるはずです。
ほとんどの人は、これさえやってないのが現実ですからね。

「どのように出題されるのか(方法)」


どこが出題されるかが分かれば、次は、出題方法です!

どのような問題において、どのような問われ方をしてくるのか。

これを知ることで、答え方を考えることができます。

つまり、質問に対応した解答方法を準備しておけばいいのです。
問われたことだけに簡潔に応えればいいのです!

問われたことに対応した解答方法だけを用意するのです。

ここでも、無駄な勉強が省けますよね。
あらかじめこれを知っていることによって、たくさんの利点があります。

例えば、問題集や参考書を読んでいるだけでも、
この事柄は、(問題集では、こう聞いてるけど)試験ではこのような問い方をしてくるな。って言うのが感覚的にわかるようになります。
そうすれば、どう答えればいいかも分かり、対策になります。

「どれくらいのレベルの問題が出るのか(難易度)」


過去問からは、出題レベルも分かりますよね。難易度です。

どの程度の問題が出るか分かれば、どこまで突っ込んで勉強するべきなのかが自ずと決まります。

広く浅くとか、狭く深く と言った議論ではなくて、どこをどの程度深く学習するか が問題です。
これで、無駄に掘り下げて勉強したり、必要なレベルを学習してない といった事態を避けられます。

ただし、多くの人には解けないような難問は、置いておきます。
試験の合否は、難問では左右されません。
むしろ、多くの人が解けるような普通の問題で左右されることがほとんどなのです。
そこで、差をつけるためにもこの検討が不可欠です!
「どれだけ取れば受かるのか(合格点)」

これは、難易度とは異なります。難易度は絶対的な評価ができますからね。
合格最低点を取れば、試験には合格できるのです。

つまり、多くの試験は相対的な評価だということを肝に銘じてください。
(検定試験などは、何点が合格点と決まっているのでこの手間が省けます)

何度も言ってるように、満点などは、全く必要ないのです。
一つも完璧な解答がなかったとしても、部分点だけで最低点に届けばそれで合格です(考えにくいですが・・)。

だから、時間もないのにわざわざ難問対策などしなくても十分合格枠に入ることは可能なのです。

合格レベルを知るのはそれほど難しくないはずなので、各自で調べてほしい。
その上で、どの問題に絞って勉強するということも可能だし、時間がなければ捨てる問題があってもいいのです。
合格者ができている問題ができれば、勝ち組になれるんです!

以上のことを踏まえた上で、過去問をよく検討してから、問題集などにはいるのです!
そのときに、自分は試験に合格するために、どの問題は解けなければいけないのか ということに意識しながら、
問題、問題集を選びながらやる必要があります。


これで、いままでの無駄が相当省けるのではないかと思います。

それと同時に、過去問が試験対策には最高の問題集でもあるということも分かっていただけると思います。
最高の「問題集」であるということは、「問題集の攻略」のところを参考にできますね。
それで、過去問も上手く選んで、効率的に潰してくださいね!

一応触れておくと、解説が詳しい過去問を選んだ方がいいです。(当然ですね・・)
さらに、解答が別冊切り離しになっているものの方がいいです。
さらに!解答が同じページ、または見開きページにあってすぐ目が通せる方がいいです。

そのような自分にいい過去問が見つからない場合は、過去問ノートを作ってしまうか、
直接書き込んでやりやすいように工夫する必要があります。
これも、「模試の利用法」と「問題集の攻略」を参考にして下さい。